皆様　新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。

さて、今回は当店が仕入れてくるお肉についてお話し致します。
只今販売しています牛肉は神戸ビーフ(兵庫県産但馬牛)の雌牛で
39ヶ月肥育、生産者 田村正道さん　です。

私が牛をセリで買い付ける際の判断基準が『食べて美味しい牛か否か？』です。

一般的にはA 5-12とかいう霜降り(脂肪交雑)度合いの多い方が評価が高くなるのですが、その牛が食べて本当に美味しいかとなるとまた別問題になります。
(中には美味しい牛もいます)
また、去勢よりも雌の方が美味しさや舌触りが滑らかと言われており、肥育期間が長くなればなるほど、お肉自体が熟れて旨みが増すと考えられています。
そのほかにも牛肉の美味しさを見分けるポイントがあり、脂の質(硬い・柔らかい・黄色みがかった脂・透明な色の脂など)や肉の色・艶、肉の繊維のきめ細かさ(→歯切れの良さにつながります) などなどいろいろあり、それらを総合的に判断してその日のセリにて購入する牛を決めます。
私の考える美味しいお肉の基準として、脂の融点が低く、脂の色が透明に近く、肉の色は小豆色(スーパーなどで売られている朱色の肉色ではなく)で、肥育期間の長いものです。
また最近、神戸市場ではOA(オレイン酸）・MUFA(モノ不飽和脂肪酸)の数値の表示をしております。(数値が高い方が美味しいと考えられます。)
但し、セリ前の下見の段階では表示されていないので自身の目利きにてこれらを判断しています。セリが始まると電光掲示板にOA・MUFAの数値が生産者情報などとともに表示されます。(自身の目利きが間違っていなかったかどうかという答え合わせ的な感覚で見ています)

そしてもう一つのこだわりが、”但馬牛しか買わない”です。
但馬牛って何？と思われるかもしれませんが、松阪牛や近江牛・神戸牛の素牛となる牛です。(例えば、但馬牛を三重県で肥育すると特産松阪牛となります。）
食肉のバイヤーをしていた時にいろんな産地の牛を買い付け、片っ端から味見した結果、但馬牛が一番美味しいと感じました。

但馬牛の特徴として、
但馬牛にしか出せない香りというものがあり、これは他府県産の牛では出せないものだと思います。そしてもう一つ脂のしつこさが少ない特徴があります
皆様も綺麗な霜降りのお肉を食べて胃がもたれると感じたことはございませんか？不思議と但馬牛は脂のしつこさを感じることが少ないのです。
その但馬牛の中でも特に美味しいと思う牛を競りにて仕入れてきます。

今回仕入れてきた神戸ビーフ(生産者 田村正道さん)は上記の特徴がよく出ている牛だと思います。肉の繊維が細かく、香り高く、肉の旨みが濃い牛です。

当店の常連さんで肉好きなお客様がおり、その方が12月に自宅でお客様を呼んでパーティーをするので塊でお肉を分けて欲しいとおっしゃられ、お肉を販売しました。
後日ご来店いただいた時に感想をお聞きすると
『めちゃくちゃ美味しかったわ！良いおもてなしが出来ました！』
と大変喜んで頂きました。

また大晦日に妻とロース肉のステーキを味見と称し食べましたが、咀嚼してから飲み込んだ後の余韻が大変素晴らしかったです。

1月中頃より骨つきのまま熟成をかけたロース肉の販売を予定しております！
皆様も是非一度、ご賞味いただければと思います。